北海道商工会議所連合会
会 頭  岩 田 圭 剛



 令和4年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 皆様におかれましては、日頃から道商連の事業活動に多大なるご支援・ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

 昨年も新型コロナウイルスとの戦いに明け暮れた1年となりました。この間、事業継続に向け懸命な経営努力を続けてこられた皆様に対し、改めて深く敬意を表します。

 さて、昨年、わが国では、1年遅れを余儀なくされた「東京オリンピック・パラリンピック」が様々な制約を受けながらではありましたが、無事に開催することが出来ました。
 北海道では、サッカーやマラソン・競歩が実施され、我々に大きな勇気と希望、レガシーを残してくれたと感じております。
 加えて、「北海道・北東北の縄文遺跡群」の世界遺産登録やアジア初となる「アドベンチャートラベル・ワールドサミット」の開催(バーチャル形式)により、新しい北海道の魅力を世界へ発信する年でありました。

 昨年11月には行動制限も解除され、北海道経済回復のスタートにようやく立ったところであり、今年は、現下の苦境から反転攻勢に転じ、北海道経済を再びしっかりとした成長軌道に乗せるべく、全道42商工会議所と連携し、次の事業に取り組んで参る所存であります。

 1点目は、新型コロナウイルス感染拡大防止と社会経済活動の正常化との両立に向けた環境整備であります。
 若い世代のワクチン接種率引き上げや追加接種の促進、経口薬の実用化、医療を逼迫させない病床数の確保、ワクチン検査パッケージの活用など、ウィズコロナ下での社会経済活動レベルを維持する仕組みの構築を急ぐことが肝要であります。

 2点目は、基幹産業である「食」と「観光」の回復であります。
 需要喚起策はもとより事業再構築に取り組む中小企業を後押しする支援策の継続・強化など、経済再生を先導する対策を、地域の実情に即し迅速に講じていただくよう、国や道に対し強く要請して参ります。
 令和5年度には、「アドベンチャートラベル・ワールドサミット」がリアル形式により改めて北海道で開催することが内定しております。そして、2030年の札幌冬季オリンピック・パラリンピック招致等、北海道の発展を後押しするビッグプロジェクトが控えております。ポストコロナ時代だからこそ「選ばれる北海道」を目指し、経済を力強く牽引していけるよう北海道の魅力を道内外・海外に発信し、取り込んでいくことが必要だと考えております。
 「食」「観光」を北海道の成長エンジンとして、さらに磨き上げ、付加価値を高めていく取り組みを継続して参ります。

 3点目は、デジタル化の促進及び総合交通体系の整備であります。
 コロナ禍を契機に、テレワークやオンライン商談等、非接触・非対面型を中心としたデジタル社会へと急速に変化を遂げました。働き方改革やワーケーション、北海道に居ながらにして道外需要を取り込むEコマース等の事業再構築など、ビジネスモデルの多様化、選択の幅に広がりを見せています。
 昨年9月にはデジタル庁が発足され、商取引はもとより、医療や教育など幅広い分野でデジタル化が加速されることと思います。企業の生産性を高め、ビジネスチャンスを拡げていくための有力な方策がデジタル化であり、中小・小規模事業者へ実装が進むよう取り組んで参ります。
 また、デジタル化がもたらす北海道の魅力・価値を具現化していくためには、交通・物流ネットワークの拡充が必要不可欠であります。2030年の北海道新幹線札幌開業、札幌から全道各地へのアクセス改善、MaaS導入による移動のストレスフリー化などシームレスな交通ネットワークの強化にしっかりと取り組んで参りたいと存じます。

 以上、新年に当たって、私の所感の一端を申し述べましたが、地域経済を担う中小企業等の一日も早い再生を実現させるべく、厳しい経営状況にある中小企業等に寄り添い、雇用を守る取り組みを加速させていくことが、我々、商工会議所の責務であります。
 更に、ウィズコロナ、アフターコロナの時代に即し、SDGsやゼロカーボン北海道など社会経済の大転換期へも的確に対応し、皆様方とともに、明るい北海道に向けた力強い一歩を踏み出す年にして参りましょう。
 皆様のより一層のご支援・ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 結びになりますが、本年が、平常な社会経済に戻り、皆様にとって実り多い素晴らしい一年となりますよう、心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。