北海道商工会議所連合会
会 頭  岩 田 圭 剛



 令和3年の新春を迎え、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 皆様におかれましては、日頃から道商連の事業活動に多大なるご支援・ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。

 さて、昨年は、新型コロナウイルスの猛威に晒され、わが国では「緊急事態宣言」という人為的に社会経済活動を止めざるを得なかった第1波にはじまり、冬季の第3波までその対応に明け暮れた年でありました。

 特に、感染拡大が他地域よりも1ヶ月早く始まった北海道は、基幹産業である観光産業や飲食・サービス業に深刻な打撃を与え、その影響は地域を問わずあらゆる業種に拡がりを見せ、需要は喪失し、企業存続の淵に立たされました。
 第2波以降、本道経済は緩やかながらも回復基調を辿りましたが、かき入れ時を控えた初冬の第3波によって、再び経済活動の停滞を余儀なくされ、深刻の度合いは一層深まりました。

 この間、国・道等においては、医療体制の整備や感染拡大防止に努めるとともに、無利子融資、持続化給付金、雇用調整助成金など、過去最大の支援策が実行され、商工会議所としても、経営相談窓口の設置や飲食店応援クーポンの発行、余剰在庫の解消に向けたマッチング事業など需要喚起事業等を実施し、売上げ減少に苦慮する企業への支援に積極的に取り組んで参りました。

我々はこうした未曾有の状況に立ちすくむことなく、危機感を共有し、知恵を絞り、力を合わせて、地域再生の歩みを確実に前進させていかなければなりません。
 こうした状況を踏まえ、本年は、次の観点から事業に取り組んで参りたいと考えております。

 まずは、新型コロナウイルス感染症の拡大を抑え、社会経済活動との両立のもと、本道経済をしっかりとした回復軌道に乗せることであります。
 国や道に対し、検査・医療提供体制の一層の整備・強化、一日も早いワクチンの実用化といった社会経済活動の基礎的なインフラ構築の実現はもとより、長期化を想定した万全な資金繰り支援や給付金・助成金制度、Go To キャンペーン等による需要喚起策など地域の雇用と事業を守る追加支援策の拡充を要望して参りたいと思います。
 併せて、これら支援策が地域の隅々にまで行き渡るよう、企業に寄り添った伴走型支援を引き続き展開するとともに、「新北海道スタイル」等感染防止策の徹底や「テイクアウト」「デリバリー」といった新たな事業に果敢に挑戦し、事業継続に懸命に取り組まれている企業への支援を強化して参りたいと存じます。

 次に、コロナ禍によって顕在化した課題への対応と将来に向けた体質強化への取り組みであります。
 新型コロナウイルスの感染拡大は、「3密回避」や「リモートワーク」など新たな生活様式、働き方の変革を迫ると同時に、デジタル化の遅れや東京一極集中といった都市の脆弱性を浮き彫りにしました。
 政府は、デジタル庁を創設し、行政のデジタル化に止まらず、商取引はもとより医療や教育など幅広い分野で、国を挙げてデジタル化を加速させようとしています。
 また、東京一極集中の是正、国民の生活様式・働き方の変化は、特に北海道の将来にとって大きなチャンスとなるものであります。
 これまで北海道の人口動態は流出超過が続いていましたが、昨年4月からは転入超過が続き、「都市から地方」への流れに変化の兆しが見え始めました。
 北海道は、デジタル化の進展により、安心・安全で豊かな暮らしと「時間と場所に縛られない」新しい仕事の場を提供することができ得る、魅力ある地域であります。
 「地方分散型社会」のモデル地域として、地方創生の実現を図るためにも、商工会議所自らも国の流れに遅れをとることなくデジタル化を進めて参りたいと存じます。
 加えて、本年は、初夏に北海道・北東北縄文遺跡群の世界遺産登録、7月に東京オリンピック・パラリンピックの開催、9月には体験型観光の世界会議「アドベンチャー・トラベル・ワールド・サミット」がアジア初の開催地として北海道で予定されており、北海道の魅力・ポテンシャルを国内外に情報発信する絶好の機会に致したいと思います。

 そして、2030年に向けた取り組みを着実に進めていくことであります。
 2030年には、北海道新幹線札幌開業や冬季オリンピック・パラリンピックの誘致実現、都心アクセス道路の整備などが控えております。
 この間、バリアフリーなど時代に即したまちづくり、各地とのアクセス改善、物流ネットワークの強化、MaaS等最新技術の実装によるストレスフリー、シームレスな地域交通ネットワークの構築等を進め、各地域の活性化に資することができるよう取り組んで参りたいと存じます。
 また、2030年までに持続可能な社会を目指すSDGsを意識した企業行動を推進し、企業の価値向上・競争力の強化を図っていかねばなりません。

 以上、新年に当たって、私の所感の一端を申し述べましたが、これらの観点を基本として、コロナ禍により社会経済環境が刻々と変貌する状況を踏まえ、柔軟かつ適切に事業を展開して参る所存です。
 北海道経済の持続的な発展は、地域の先導役である我々商工会議所の双肩にかかっています。今こそ知恵を絞り、実行力を発揮し、地域の発展に貢献する時です。

 皆様のより一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 結びになりますが、本年が、一日も早くコロナ禍を乗り越え、平常な社会を取り戻し、また、皆様にとって実り多い一年となることを心から祈念し、新年のご挨拶とさせて頂きます。