北海道商工会議所連合会
会 頭  岩 田 圭 剛



 令和2年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。
 皆様におかれましては、日頃から道商連の事業活動に多大なるご支援・ご協力を賜り、厚く御礼申し上げます。
 さて、昨年、わが国は、202年ぶりとなるご譲位による新天皇陛下ご即位という歴史的な皇室のご慶事と、「平成」から「令和」の新しい時代の幕開けを、国民こぞって祝したところであります。
 また、成功裡に終えたラグビーワールドカップ日本大会とも相俟って、世界の注目を集めた年となりました。
 しかしながら、集中豪雨・台風といった自然災害が相次ぎ発生し、改めて早急な国土強靱化を実感させられた1年でもありました。
 北海道に目を転じてみますと、16年ぶりに新知事が誕生し、新たな舵取り役による道政がスタート致しました。経済では、緩やかな回復基調を持続してきましたが、回復の実感に乏しく、また、全国を上回るスピードで進む人口減少という構造的課題を抱える中、深刻さを増す人手不足と企業数の減少による地域の疲弊、消費税率引上げの影響、日韓関係悪化による韓国人旅行者の急減など、多くの課題・問題も抱えております。
 一方で、これからの北海道を展望してみますと、今春のウポポイ(民族共生象徴空間)のオープンや、東京2020オリンピック大会のサッカー・マラソン・競歩の札幌開催、道内7空港の民間運営移行、北海道新幹線札幌開業、冬季オリパラ招致等に加え、縄文遺跡群の世界遺産登録、アドベンチャートラベル・ワールド・サミット2021の誘致など、数々のプロジェクトが控えており、北海道は、今まさに新たな飛躍へ向けた転換期を迎えております。
 こうした状況を踏まえ、道商連では、昨年11月、第32期の役員体制と事業活動方針を決定し、地域との連携を一層強化し、商工会議所の使命である地域経済の活性化と中小企業の活力強化に全力で取り組んで行くことと致しました。
 事業活動方針では、これらの好機を逃すことなく、「観光」や「食」はもとより、道内各地域の産業に幅広く波及させ、北海道経済 全体の活力に繋げるべく、「北海道の未来を築く〜新しい時代の流れを力に〜」をスローガンに掲げ、向こう3年間5つの柱で事業を展開して参ります。

 第1の柱は、「実効ある成長戦略の推進」であります。
 私どもが策定した成長戦略ビジョン(平成26年)の重要プロジェクトとして取り組んでいる「冬季オリパラ招致」をはじめ、この32期中に実施、決定予定の各種プロジェクトを推進して参ります。
 北海道型IRの誘致につきましては、先般、道知事が申請を見送る判断を下しましたが、大きな波及効果が見込まれていただけに誠に残念であります。道に対しては、IRに代わり大きな波及効果が見込める、新たな施策を早急に打ち出すよう求めて参りたいと存じます。
 また、成長戦略を推進する上で、克服しなければならない課題、JR問題や災害に強い交通・物流システムの構築、北方領土問題等につきましても、しっかりと取り組んで参ります。

 第2の柱は、「経営基盤・人材確保の強化」であります。
 伴走型支援等による小規模事業者の持続的発展の支援はもとより、喫緊の課題である人手不足対策について、大学・高校生の地元就職やUIJターンによる人材確保・定着促進や、働き方改革、健康経営など労働環境を整え、女性・高齢者・外国人材の活躍促進といった人材確保、加えて、若手経営者支援、創業・事業承継支援等、経営の担い手支援にも取り組み、きめ細やかな支援を展開して参ります。
 また、生産性向上に向けては、IoTやAI、ロボットといった先進技術の活用・実装へ向けた企業支援を一層強化して参る所存です。

 第3の柱は、「産業振興策の迅速な実行」であります。
 北海道が、持続的な発展を遂げて行くためには、北海道の強みである「観光」と「食」を中心に、世界を相手に稼ぐことが重要であります。各種プロジェクトの実現と、その効果が最大限発揮されるよう事業を展開して参りたいと考えております。
 「稼ぐ観光」については、ソフト・ハード両面での受入環境の整備促進、地域の魅力を活かすコンテンツ開発など、満足度を高める質の向上に取り組み、「食」については、道産農水産物の安定供給のもと、加工度をあげた高付加価値化、販路拡大やブランディング支援に加え、地理的表示保護制度(GI)等の導入促進に取り組んで参ります。合せて、将来の北海道経済を牽引する新産業の創出支援や、既存産業の高度化にも取り組んで参りたいと存じます。
 そして、これら3本の柱を支えるのが、第4・第5の柱である「地域を支える社会基盤の整備促進」と、「地域と共に歩む商工会議所の基盤強化」であります。

 第4の柱、「社会基盤の整備促進」では、老朽化対策を含めた国土強靭化やインフラ整備、空港民間運営を契機とした 総合交通ネットワークの整備、特に、北海道新幹線の札幌早期開業や高速道路のミッシングリンクの早期解消による人流・物流の代替性確保のほか、将来に向けた戦略的投資の促進として、北海道新幹線の旭川延伸やJR新千歳空港駅のスルー化、災害に強い物流システム、MaaSや自動運転の本道への先進的導入などを提案して参ります。

 第5の柱、「商工会議所の基盤強化」では、各地商工会議所が、円滑に事業が実施できるよう、支援体制を強化して参る所存であります。

 以上、新年に当たって、私の所感の一端を申し述べましたが、令和の新時代を迎え、社会経済環境が大きく変貌する中、地域が創意工夫し、地域の魅力を資産として活用することが求められております。
 その先頭に立つのは、地域総合経済団体である商工会議所であります。我々は、地域を守り、企業を育て、雇用を支え、活力あふれる北海道の実現に邁進して参ります。
 皆様のより一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
 結びになりますが、本年が皆様にとって実り多い素晴らしい一年となりますよう、心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせて頂きます。