北海道商工会議所連合会
会 頭  岩 田 圭 剛



 平成30年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

 さて、昨年のわが国経済は、全国的に景気回復の動きが拡がり、3年連続のプラス成長が確実となりました。北海道経済も、国内外からの観光客の増加や、一昨年の大雨台風被害の復旧工事等公共投資が高水準で推移し、個人消費も緩やかながらも回復を見せるなど、全体としては着実に回復基調を辿って参りました。

 しかし、地域、中小企業においては、景気回復の実感は乏しいとの声も聞かれ、経済の好循環の波及は道半ばの状況にあります。

 人口減少は更に加速し、その度合いによって道内各地域の格差は拡大し、あらゆる業種で人手不足が深刻化しております。

 こうした状況を踏まえ、今年は、商工会議所のミッションである「中小・小規模企業の活力強化」、「地方創生の推進」を両核とした成長する経済を実現するため、全道42商工会議所と連携し、次の事業を展開していく所存であります。

 1点目は、地域の経済や雇用を支える中小・小規模企業の持続的な発展であります。

 事業機会の拡大や「稼ぐ力」を強化すべく、起業・創業や販路開拓、海外進出等、それぞれの段階に応じたきめ細やかな相談・支援体制を強化して参ります。

 喫緊の課題となっている人手不足対策については、女性、若者、高齢者、外国人など多様な人材の活躍推進はもとより、IT、IoTの導入など生産性の向上を促進するため、国、道に対し、より踏み込んだ支援策を働きかけて参りたいと存じます。

また、後継者がいないため、黒字にもかかわらず廃業等を余儀なくされる企業も多発しております。特に北海道は、企業の「休廃業・解散」が「倒産」の約5.2倍に上り、件数でも全国で2番目に多い地域であることから、国に対し、事業承継税制の拡充・強化を要望するとともに、「北海道事業引継ぎ支援センター」と連携し、引き続き円滑な事業引継を支援して参ります。

2点目は、基幹産業である「食」、「観光」による地域産業の活力強化であります。

 これまで取り組んできました「食」分野での様々な事業を更に充実させ、今年は、新たに東京で「北海道まるごとフェア」を開催する他、引き続きベトナムなど海外市場の開拓に力を入れて参りたいと考えております。

 「観光」分野では、来年開催されるラグビーワールドカップの札幌での2試合が決定した他、2020年はいよいよ東京オリンピック・パラリンピックが開催されるなど、北海道観光にとっても大きな追い風となっております。

 道が掲げる外国人観光客入込客数500万人達成に向け、この機を逃さず、滞在型観光、受入態勢の整備を推進し、冬季オリンピック・パラリンピックの北海道招致に繋げていく所存であります。

3点目は、地方創生の基盤となる社会資本整備であります。

 社会資本は、国土を保全し、産業を発展させ、安全・安心な生活を実現させる国民の基本財産であります。

 地方創生を推進するためには、北海道の持てるポテンシャルを十分に発揮し、交流人口の増加を図ることが肝要であります。そのためには、地域を結ぶ交通基盤の整備が不可欠であり、その主軸は、鉄道、高速道路、空港等であります。

 北海道は、広大な大地に市町村が点在する「広域分散型社会」であり、総合交通ネットワークの確保が何よりも重要で、地域発展の命運を握っています。

 北海道新幹線については、新函館・札幌間の1日も早い開業を、高速道路については、着実且つ継続的な建設促進に向けて運動を展開していかなければなりません。国・道において検討が進められている空港の民間委託については、2月に実施方針が示される予定ですが、地域と空港とが連携し、地域経済の活性化に結び付くよう取り組んで参ります。

 特に、JR北海道の経営危機による鉄路存続問題は、地域にとって極めて重大な問題であり、全道商工会議所の総意として、昨年5月に「鉄路維持に関する提言・要望書」を取りまとめ、国、道、JR北海道等に提出したところであります。

 各地域においても、自らの問題として議論を重ね、利用向上にも取り組んでいます。国・道、JR北海道は、地域の声を真摯に受け止め、早急に問題解決を図っていただきたいと存じます。

 今年は、「北海道」と命名されてから150年目の節目の年を迎えます。先人が築いてきた北海道をしっかりと受け継ぎ、新たな価値創造やイノベーションに挑戦し、50年後、100年後の未来に向けて飛翔する一年としなければなりません。

 その先頭に立つのは、地域総合経済団体である商工会議所であります。我々は、地域を守り、企業を育て、雇用を支え、活力あふれる北海道の実現に邁進して参ります。

 皆様のより一層のご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。

 結びに、本年が皆様にとって実り多い素晴らしい一年となりますよう、心からお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。